Reserpineの胎生期及び新生仔期発育におよぼす影響

概要

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著者らは妊娠ラットにレセルピンを投与すると,胎仔発育は障害をうけ,所謂small for date (SFD)仔の発症をみることを見出した.さらに,これらのSFD仔の生後発育度を観察するとともに,正常分娩後の母獣にレセルピンを与えたときの新生仔の発育状態ならびに生後発育に関与する二三の基礎的条件を検討し,以下の結果をえた. 1) 妊娠17, 18および19日に1mg/kgのレセルピンを投与された胎仔の内臓および骨格所見においては,脳,腎に発育不全がみられ,またその他の臓器に出血性の病変が多くみとめられた骨格所見では一般に化骨形成不全が数多くみられた.胎仔体重は対照群より約30%以上低値を示した. 2) 上記の結果から,レセルピン処置群からの自然分娩仔の生存率は悪く,生後数日内に約50%以上の新生仔は死亡した. 3) 生存し得た新生仔は,その後の生後発育は順調であつたが,これは1母獣当りの哺育数の減少したことによると考えられた. 4) 自然分娩による新生仔を1母獣当りの数を変更して哺育せしめたところ,約4〜8匹が適度の哺育数であることが示された. 5) 正常分娩後母獣にレセルピンを1mg/kgを3日間投与すると母体重は低下し,新生仔発育度は低下した. 6) 更に前述の実験に対して,レセルピン投与した母獣を無処置分娩後母獣とに,生後9日目に交換哺育させても,その効果は著明ではなかつた. 以上の実験結果から,著者らは胎生期にレセルピンを与えると著明な胎仔障害を与えるが,分娩後にレセルピンを母獣に与えても,新生仔発育への影響は著明でないことをみとめ,さらに新生仔発育度の観察に必要な基礎的条件を明らかにした.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1978-06-01

Reserpineの胎生期及び新生仔期発育におよぼす影響

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