ヒト胎盤における β-alanine および taurine の輸送機構の解明(微絨毛膜小胞を用いて)

概要

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胎盤におけるβ-alanineおよびtaurineの輸送機構を解明する為に、満期ヒト胎盤より分離した微絨毛膜小胞を用いて膜急速ろ過法によってアミノ酸の小胞への取り込みを検討した。 1. 微絨毛膜小胞内へのβ-alanineの取り込みは、小胞内外のNa^+の濃度勾配(小胞外>小胞内)に依存していた。このNa^+依存性のβ-alanineの濃度によって決まる飽和kineticsに従っており、その輸送kineticsのパラメーターとして、Km値は0.24mM、また、Vmax値は46p mol/mg protein/20secが得られた。 2. taurineは微絨毛膜小胞内へのβ-alanineの取り込みを著明に阻害したが、L-alanineはこのβ-alanineの取り込みを阻害しなかった。 3. 微絨毛膜小胞内へのL-alanineの取り込みは、小胞内外へのNa^+の濃度勾配に依存しており、このNa^+依存性のL-alanineの小胞内への取り込み初速度は、Na^+それ自身の小胞内への取り込み初速度よりも速かった。一方、Na^+依存性のβ-alanineおよびtaurineの小胞内への取り込み初速度は、Na^+それ自身の小胞内への取り込み初速度より遅かった。以上の成績より、満期ヒト胎盤微絨毛膜にはβ-アミノ酸の輸送系が存在することが判明した。また、taurineはこの輸送系によって胎盤輸送されていることが示された。また、このβ-アミノ酸の胎盤輸送機構はL-alanineの胎盤輸送機構とは異なっていることが示された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1987-06-01

ヒト胎盤における β-alanine および taurine の輸送機構の解明(微絨毛膜小胞を用いて)

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