サトイモ(Colocasia esculenta Schott)の花序の形態に関する地理的変異
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概要
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タイ,インドネシア,マレーシア,ネパール,中国および我国で採集された,栽培系統と野生(非栽培)32系統の合計34系統のサトイモについて,花序に関する形質を特性値として,主成分分析およびクラスター分析をおこなった。 主成分分析の結果,第2主成分までの累積寄与率は81.6%であり,第1主成分はshape factor,第2主成分はsize factorとそれぞれみなすことができた。両主成分平面における系統の散布図から,サトイモの花序の形態にはラ明瞭な地理的変異が認められ,供試した系統を,タイおよびインドネシアの全系統,マレーツアの1系統および我国の石垣島と西表島の系統を含む群,マレーシアの1系統からなる群,ネパールの系統の群,中国および我国の九州と本州の系統の群,それに沖縄本島,与論島および種子島の群の合計5群に分けることができた。 クラスター分析の結果は主成分分析のそれと同様であり,ネパールの3系統および九州の1系統を除く他の系統はだいたい地域ごとのクラスターを形成した。 染色体が観察できた系統のうち,ネパールの2系統,中国および我国の九州,本州の全系統が3倍体(2n=42),他の系統は2倍体(2n=28)であった。前者にはネパールおよび本州の栽培系統が各1系統含まれる。倍数性と花序の形態との相互関係については,2倍体は第1主成分スコアーの小さい系統から大きい系統まで認められたのに対し,3倍体は同スコアーの小さい系統が認められなかった。また倍数性と第2主成分(花序の大きさ)との間に特定の傾向は認められなかった。 サトイモの地理的分類には里少数の花序の形質に注目するよりも,より多くの形質について多変量解析法を応用することがより有効であると考えられた。
- 日本育種学会の論文
- 1983-09-01
著者
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