クワイ(Sagittaria trifolia var. edulis (SIEB.) OHWI)の開花と種子発芽の促進
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
`青くわい'および`白くわい'の2品種のクワイの開花を促進するために,球茎を30および300ppmのジベレリン水溶液に3時間浸漬した.その後,すぐに水田土壌を入れた20l入りのバケツに植え付けて湛水状態で栽培した.`白くわい'の対、照区では21週目から開花が始まり,その開花株率は60%であった.処理区では,`青くわい'が植え付け後6週目から,`白くわい'が7週目からそれぞれ開花し始めた.`青くわい'の開花株率は30ppm区では60%,300ppm区では89%であり,`白くわい'のそれは両濃度区とも100%であった.したがって,`青くわい'では処理濃度が高い区の方が開花株率は高く,同濃度区では`白くわい'のほうが開花が容易と考えられる.1株当たりの発生花序数は1〜4本で,処理濃度の高い区の方に多くの花序が発生し,同濃度区では`白くわい'のほうが`青くわい'よつも多かった.ジベレリン処理区の花序の中に奇形と思われる葉を付けた花序が,また短いランナーの先端に形成された小さい花序がそれぞれ観察された. 処理区で形成された花序と花茎の長さ,雌花と雄花の数および全花数に対する雌花数の割合については,同一区内および区間で大きな変異が認められた.2品種とも処理区で形成された花の形態は正常であり,放任受粉によって多数の種子が得られた.
- 日本育種学会の論文
- 1989-09-01
著者
関連論文
- 大正から昭和時代初期における雑煮の具の地理的変異
- クワイ3品種およびこれらの交配系統の球茎の澱粉の性質について
- 水田におけるクワイ品種のひぶくれ病の発生と罹病植物における胞子球の形成
- (35) 圃場におけるクワイひぶくれ病の発生生態およびクワイ品種の罹病性 (関西部会)
- 小規模高校の園芸科における「特色ある学校づくり」に対する生徒の認識
- 品種内および品種間交雑によって得られたクワイ系統の生産性
- ワタカ (Ischikauia steenackeri) 導入による学校ビオトープ池の水生植物およびアオミドロ (Spirogyra sp.) の生育抑制
- サトイモ(Colocasia esculenta Schott)の花序の形態に関する地理的変異
- サトイモ(Colocasia esculenta SCHOTT)およびハスイモ(C.gigantea HooK)日本産品種の形態形質およびアイソザイムの変異
- 栽培から調理・加工までを含む学校設定科目による農業高校での食農教育
- 農業高校での授業における植生調査対象地としての実習農場利用の可能性
- 北アメリカ原産のクワイ,wapatoの球茎の形態,生産特性および食味
- クワイ3品種およびそれらの交配系統の球茎成分
- 日本におけるクワイの呼称,栽培および料理の変遷(1)
- 日本におけるクワイの呼称,栽培および料理の変遷(3)
- 日本におけるクワイの呼称,栽培および料理の変遷(2)
- Sagittaria latifolia L. の形態
- 北アメリカ原産のクワイ(Sagittaria latifolia L.)の形態
- クワイ(Sagittaria trifolia L.)の品種内および品種問交雑後代における形態形質の変異
- 本邦および台湾における野生サトイモ(Colocasia esculenta SCHOTT)の分布および形態的特性
- クワイ(Sagittaria trifolia var. edulis (SIEB.) OHWI)の開花と種子発芽の促進
- ジベレリン処理によるクワイの着花促進および得られた種子の発芽