水稲新品種アキチカラについて

概要

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1956年ごろから北陸地域の早生品種としてはホウネンワセおよび越路早生が良食味であることから基幹品種として作付されてきた。しかしこれら早生品種は耐倒伏性弱で作柄が安定しない点が問題点となっており, とくにホウネンワセは1975年ごろから作付が減少傾向となった。このため北陸地域に適する早生の強稈多収品種の育成が目標としてとり挙げられており, アキチカラの交配もこの目標にそったものである。他方1980年ごろから米の生産調整に伴い超多収あるいは他用途利用米向け品種が要請されるようになった。この品種は系統段階で収量性に期待がもてたので, 多用途利用に重点を移して検討してきたものである。以下にアキチカラの育成経過と特性の概要を報告する。育成経過1976年に北陸101号を母としアキヒカリを父として交配が行われた。北陸101号は北陸84号(イナバワセ)×レイメイに由来し短稈・強稈・長穂であり, この特性とアキヒカリの短稈多収性とを組合せた早生・多収品種の育成が育種目標であった。以後F_4世代まで世代促進と雑種集団の養成を行い, F_5世代で個体選抜, F_6世代から系統選抜を行った。1983年, F_9世代で北陸125号の系統番号を付し, 以後関係府県における地域適応性を検討してきたものであり, 1986年F_12世代でいい稲農林279号に登録・命名された。
日本作物学会の論文
1987-03-31

水稲新品種アキチカラについて

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