タイおよびフィリピン産米の理化学的性質

概要

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タイおよびフィリピンの現地において、7種類の米(長粒種)を収集し、これについて理化学的性質の測定を行ったところ、以下の結果を得た。(1)水分含量は若干低めである。色調は白米においては国産米と近似し、赤米と黒米は、それぞれ有色の程度を顕著に示した。タンパク質含量は、国産米と同程度であった。アミロース含量は、試料間で様々であり、粳系統は17.0〜30.4%の広範囲にわたり、糯系統は3.2%、中間糯は7.4%の含量を示した。アルカリ崩壊性も試料間で多様であった。(2)遊離糖組成はグルコース、シュクロース、マルトースの主成分は国産米と同様であり、組成比は試料間で多様であった。脂肪酸組成はパルミチン酸、オレイン酸(O)、リノール酸(L)の主成分は国産米と同様であったが、試料米のO/L比は総じて高く、油脂の安定性は高いと推察された。(3) ビスコグラム特性値は、粳系統ではアミロース含量の高低にかかわらず、特性値は顕著な老化性の高さを示した。この要因解明は今後の課題である。糯および中間糯系統はそれぞれ国産米に類似する粘性を示した。本試料においては総じて、ブレークダウンの値が低いことも顕著な特徴であった。
1997-02-20