熱伝達法の異なるオーブンの加熱能について : 第1報

概要

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熱伝達法の異なる4種のオーブン(主として自然対流を利用したもの : O,強制対流を利用したもの : C,放射熱を併用したもの : M,スチームを使うもの : S)を使用して,同じ庫内温度で食品を加熱し(Sのみ異なる温度)調理所要時間及び調理成績を比較した。また,各オーブンの加熱能を知るため,黄銅ブロックにより,経時的受熱量を測定し、熱伝達率を試算した。その結果,次のことがらが明らかとなった。1) じゃがいもや,冷凍ハンバーグを加熱した時,温度上昇速度は、S,C,M,Oの順に速く,調理所要時間も,オーブンによって差があることが明らかとなった。ハンバーグの場合は,調理成績にも差がみられた。2)経時的受熱量は,オーブンによって異なり,初期の受熱量は,Sが特に大きく、次にCであり,MとOは同程度であった。3)熱伝達率を求めると,C=31,O=14となり,加熱能に差があった。4)オーブンにより,加熱能に差があるので,オーブン調理の操作の指示として,一律に,温度と時間を指定することは,不適当である。
日本調理科学会の論文
1981-02-20