国産材供給の組織化に関する研究I : 岐阜県郡上地域産スギ材について
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概要
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岐阜県郡上地域は,今後,伐採可能量が急激に増大すると予想される森林を多く抱えている。しかしながら,未だこれら森林資源を積極的に活用し,販売しようとする主体的な動きはみられない。こうした現状から,当地域は,わが国森林地帯に多数存在する後発林業地帯の抱えている問題点を包括していると言えよう。その上,郡上地域の森林資源の主体をなすものがスギであるが故に,いわゆる「戦後型産地」が「銘柄化」によって成し遂げてきた産地化への道を踏襲するには自ら限界がある。従って,スギに見合った形での木材供給のシステム作りが必要となる。幸か不幸か,郡上地域において産出されるスギ材は,岐阜市周辺に存在する厚木市売市場を介して,地域外の木材加工産地へと流通している。これら地域外の加工産地は,それぞれの商品化機能に応じた径・長級の素材を産地間で部分的には競合しながらも,互いに分化させつつ購入してゆく。こうした現状はスギ素材の商品的汎用性ゆえの,素材産地としての汎用型市場と呼び得るものである。山元において,素材販売に対する明確な意図がない現状において,この市場構造をしてシステムとは呼び得ないにしても,組織化への可能性を秘めた,萌芽的状況とも呼び得るような,素材流通構造を形成している。
- 岐阜大学の論文
- 1985-12-15
著者
-
林 進
岐阜大学地域科学部
-
林 進
岐阜大農学部
-
林 〓
岐阜大学農学部林学科森林経営学研究室
-
伊藤 栄一
岐阜大学農学部農学部附属演習林
-
矢内 正
岐阜大学農学部林学科森林経営学研究室
-
伊藤 栄一
岐阜大学農学部
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