プレカット用製材の需要構造 : 東海地方の事例分析
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概要
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木造軸組構法住宅でのプレカット構造材の使用比率が高まっている。プレカット用製材の条件は,これまでの基準に比べはるかに厳しい。したがって,プレカットの進展は製材の供給構造にも大きな影響を与える。本報告では,岐阜,愛知,静岡の東海3県に立地する28のプレカットエ場を対象に,木拾い表での樹種と規格寸法を通じて製材の需要構造を分析した。分析にあたって,プレカット工場の規模と,構造材加工を受注する住宅の性格の違い,すなわち注文住宅か分譲住宅か,さらに注文住宅の場合には大手住宅メーカー,地域ビルダー,工務店のいずれからの受注かを指標とした。つぎの結果がえられた。(1)樹種別の使用量は米マツが最も多く,全体の50%を超える。ヒノキの使用量が次いで多い。(2)規格寸法別では105mmと120mmの正角の本数比率が高く,巾150mm,厚さ120〜390mmの平角の比率が続いている。ヒノキは主に正角に,平角には米マツが用いられている。(3)地域ビルダーと工務店が加工発注する注文住宅での製材寸法が大きく,工務店が発注する注文住宅部材の規格は多種類である。(4)プレカットエ場の規模に応じて仕入の短絡化や広域化が進み,北米の製材工場から直接輸入するケースもみられるが,仕入チャネルは流動的である。
- 岐阜大学の論文
- 1992-12-25
著者
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