物流と商流の分析による地域林業構造解析へのアプローチ : 愛媛県久万町を対象として
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概要
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本研究では,地域林業構造を生産と流通・加工の諸過程に区分し,各過程間での物流と商流の総体として地域林業構造を把握することで,(1)諸過程の連関を数量的に表現するとともに,(2)経営状態についても明らかにし,(3)その結果から政策的課題に言及することを目的とした。愛媛県久万町を対象地として分析した結果,久万町の林業構造は,素材市売市場を含む素材販売過程及び製材加工過程を内包する事で,素材流通量を地元からの素材供給量の約3倍,林業構造全体の収入もそれらの過程が無い場合に比べ約3倍に増加させており,この事が町外から多額の金員収入を発生させ(林業構造全収入の95%),町内の家計及び他産業にその25%(924百万円)を配分するなど,町内経済への寄与度が高いことがわかった。一方で,各主体の経営は厳しく,かつ問題点も孕んでいることがうかがえた。本研究では,物流及び商流の分析結果から各主体の問題点を検討し,構造の相互関係に配慮しつつ,主体別の課題の指摘を試みた。
- 林業経済学会の論文
- 2005-03-01
著者
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