伐採行動の促進要因の研究

概要

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世界的な森林資源の配置と利用との偏りから,今後日本への国際的な伐採圧力は高まると考えられる。また森林の持続的な利用を図るためにも,伐採行動を積極化させる対策が必要である。ところで私有林での森林所有の伐採行動をみるとなんらかの政策的支援なしに活性化させるのは困難である。しかし伐採行動がいかなる要因に規定されているのかは必ずしも明らかでない。したがって,このままでは政策的支援の具体的な方向づけもやはり困難である。そこで本研究では,伐採行動がいかなる要因に規定されているのか,産地の形成はどの様に影響しているのかを明らかにするため,スギとヒノキについて2つの伐採方法と組み合わせ,4つのケースを検討した。対象は岐阜県の54市町村で森林資源,林業基盤,素材生産活力,製材活力に関係する11の変数を用いて因子分析,クラスター分析,および重回帰分析を行った。その結果,非皆材のケースで,伐採量が素材生産活力と製材活力および価格に規定される関係がはっきりとみられた。また,そうした関係が顕著に現れている地域は東濃地域とその周辺部に所在しており,産地的な性格が影響を与えている可能性もみとめられる。
岐阜大学の論文
1994-12-28