徳島県山城町における定住促進政策の展開と成果
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概要
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中山間地域の多くの自治体で定住促進対策がとられてきたが,成果を上げているのはごく少数である。そのような中で,92年10月から98年3月まで奨励金供与を軸とした定住促進条例の制定と,空き家斡旋,町営住宅の建設により,I・Uターン者の確保に取り組んできた徳島県山城町では,I・Uターン者合計で336名の転入がみられた。本研究では,その要因を,町の政策展開とその背景,立地条件,さらにIターン者を対象に行った聞き取り調査に基づく転入者の特徴や意向から考察し,あわせて政策展開の有効性について検討を加えた。その結果,Iターン者を中心とした空き家志向と,Uターン者を中心とした町営住宅志向が,住宅政策の展開方向と合致し,多くの町外居住者に山城町への移住のきっかけを与えるとともに,転出抑止効果をも発揮したことを評価した。また,近年の政策において,住宅政策は続行されているものの,定住奨励金は廃止され,新たに林業中心の産業政策が打ち出されたが,このような政策転換が,山村へのIターン者の就業構造と照らし合わせても必然的で,他の山村においても定住政策の基本となりうることを指摘した。
- 林業経済学会の論文
- 2000-03-10
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