4.伐採行動の統計的研究 : 岐阜県における伐採齢の現状
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概要
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1986年度から1991年度の岐阜県の「伐採実績集計表」を用いて伐採動向を分析した結果,以下のことがわかった。1.年平均伐採面積は皆伐が1,695ha,間伐が4,348haである。また,年平均伐採材積は皆伐が219,000m^3,間伐が133,000m^3である。間伐の占める割合が確実に増加している。2.分析期間中の齢級別伐採材積の分布は,年度ごとの差は見られるものの基本的には安定していた。全樹種の平均伐採齢は1991年度以外はVIII〜IX(齢級であったが,1991年度にはX齢級と上昇している。なお,これが一時的な変化なのか,傾向的上昇かは判断できない。3.齢級別伐採材積の分布は,スギ,ヒノキともにVI齢級がピークである。これは間伐に相当する。主伐相当部のIX齢級以降に,再び上昇する。ピークの判断は難しいが,スギでX齢級,ヒノキでXII齢級に一つの山を観察することができる。4.森林面積に対する伐採面積の割合をみると,スギでV齢級,ヒノキでVI齢級にピークがある。ヒノキはXII齢級にもピークをみることができるが,スギについては明確なピークを見いだすことが困難である。5.伐採場所の林道からの平均距離は短縮化の傾向が見られた。1991年度の平均搬出距離は,スギ,ヒノキともに230m前後となった。また,分析期間を集計すると,500m以遠の伐採はスギ,ヒノキ,広葉樹ともに2割未満にまで低下した。6.伐採実績集計表は伐採活動を把握する上で有用な集計表であることが確認された。戦後の造林木が伐期を迎えつつあり,その重要性は増加するものと思われる。伐採法別の集計表の作成などの拡充が期待される。
- 鹿児島大学の論文
- 1994-08-31
著者
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