林業におけるBSIの利用に関する研究(I) : 日本木材備蓄機構の「先行き構成比調査」について
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概要
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市場情報は速報性が求められるため, BSIの果たす役割が大きい.日本木材備蓄機構がこれまで8年間公表を続けてきた「先行き構成比」について, 時系列特性を調査した.その結果, 一部の変数は現実をかなり表現しているように思われた.しかし, 以下のような問題点をかかえていることがわかった.1)「0」回答の比率が非常に多く, しかもその比率が上昇傾向にある.一部の調査項目ではこの比率が80%を超えている.2)全期間を通じてBSIが負の値をとる指標が存在するが, これは実勢を反映していないし, 調査する意味もない.3)指標が必ずしも経済実態に対して敏感に反応していない.BSIは先行指標を得ることが大切であり, そのために必要な属性ごとの動向について分析する必要がある.4)季節要素が無視されている.月次調査の場合は重要なことであり, 考慮が必要である.以上のような問題点を抱えているが, 本調査が継続されている点は評価できる.主観的な情報として今後の有効利用が期待される.また, 得られた指標を現実と照らし合わせながら, より高い予測性能を発揮するよう調査体系を随時変更する必要がある.そのためには, 調査と同時に調査結果を使用することが大切である.
- 鹿児島大学の論文
- 1992-03-30
著者
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