ヒノキ幼齢造林木の幹形比較
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概要
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岐阜県恵那郡加子母村は,東濃ヒノキ林業地の中心であり,柱材を核としたヒノキ良質材生産に力を注いでいる。ヒノキ良質材は,種子・苗木の品種管理,林分の密度管理,単木の生長管理の徹底によって育てられ,更に高度な製材加工技術と巧みな販売技術の行使によって,はじめて「優良商品」として消費市場で評価されるものとなる。そのために育林段階で個別林業家が目指さねばならないことは,幼齢木段階での幹形異常木をできるだけ少なくするように,造林地管理を図ることであろう。しかし加子母村の現実は,理想的状態にあるとは言い難い。即ち,良質材生産を行なう上でマイナス要因となる幹形異常木の多い林分が,多々見受けられるのである。そしてそれが施業の仕方によって,大きく規定されて現われているのが実態である。幼齢段階での造林木の幹形管理の不徹底は,以降の施業(特に除・間伐)の編成を制約すると同時に,丸太の外形的良質性を"枝打・無節"によって強調しようとする,施業の「部分肥大現象」をもたらす危険性をも有している。加子母村が育林から建築等最終消費まで一体化した,林業産地化の道を歩む上でこの事実は,早急に対応を迫られる問題として浮上しよう。
- 岐阜大学の論文
- 1984-12-15
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