今須林業に関する研究II : 択伐林経営者の意識について
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概要
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今須の択伐林業は,農家林家による小規模・分散的な所有によって構成されている。その択伐林の林型は,個々の林分において分散が大きく統一性がない。こうした林型の特性とこれを支えてきた地域の林業構造の特徴を明らかにするために,今須地区の西部,竹の尻,新明,貝戸,下明谷の4集落を対象にアンケートを実施し,所有者の択伐林に対する意識を調査した。その結果以下のような特微か明らかとなった。1.所有者の択伐林経営に対する意識は多様で分散的である。2.択伐林の取い扱いは,収穫中心の意識が強い。3.択伐林の生産物の販売は,所有者の日常的・非日常的家計支出を動機として行われる。4.択伐林の生産物は,地域内の製材業に掌握され,所有者はそれに対し矛盾を感じていない。5.択伐林の良さを一般的に認めつつも,経営に大きな負担を感じ,逃れようとする所有者は,4割近くに達する。6.択伐林の経営に積極的に取組み,これを維持し,拡大しようと努力している所有者が約2割いる。
- 岐阜大学の論文
- 1987-12-25
著者
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