都市近郊里山地帯の最適利用モデルの策定に関する研究(II) : 都市成長と里山空間の変貌 : 秋田県横手市,山梨県甲府市,大阪府高槻市,及び河内長野市の実態分析
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概要
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都市近郊の里山地帯は,都市成長のインパクトによって変貌させられて行くが,森林及び農地としての利用と都市化(市街地化)のベクトルとは,相互に交錯する場合と,画然と区分されて働く場合と,二通りのタイプがある。前者の場合は,両ベクトルの連関を調整し,どのように併存ネット・ワークを形成するかが,都市空間構成上の問題となるのに対して,後者の場合は,両者の均衡点をどう設定するかが問題となる。本研究では,盆地型の独立都市として横手市と甲府市とを,大都市近郊の衛星都市として高槻市と河内長野市とを選び,上述の問題の検証を行った。その結果,盆地型の独立都市の2事例では,森林及び農地としての利用ベクトルと都市化のベクトルとが,相互に交錯し合いながら里山地帯に関与し,市街地と森林・農地とが混在地化しながら都市域が拡大・成長して行くのに対し,衛星都市型では大都市間の線型的延長限界まで高密な都市化が進行し,その半面として,森林・農地は,一定の均衡点を境にして,都市化のインパクトが働かず,市街地化された部分と,はっきり区画される形での利用・保全がなされている実態を,それぞれの型において典型として抽出し得た。この両者の違いは,里山地帯に展開する都市の空間構成上,重要な意義を持ち,同時に里山地帯の最適利用を図る際にも,都市域の特性を踏まえた方策の策定を要求する基礎ともなろう。
- 岐阜大学の論文
- 1987-01-10
著者
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