「退行」に陥った青年期ダウン症者の一事例

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概要

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本研究の目的は､｢退行｣に陥った青年期ダウン症者の一事例研究を通して､仮説段階である｢退行｣の解明への一資料を得ることである｡対象者は､短期間のうちに動作の鈍化､表出言語の喪失､無表情などの症状に陥っていた｡そこで､筆者は心理的ストレスにより対象者が｢退行｣に陥ったとの仮説にたち､治療教育的アプローチを実施した｡そして､その結果を生活動作能力､語彙能力､知的能力からそれぞれ分析した｡その結果､全ての能力において一定の効果が見られた｡本研究を通して､心理的ストレスが｢退行｣を引き起こす原因となる可能性の高いことが示唆された｡また｢退行｣は器質的疾患による痴呆及び加齢に伴う老化とは異なる現象であり､その状態は生活環境の改変を考慮した治療教育的アプローチによって改善されることが示唆された｡
筑波大学の論文
1999-02-15

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