＜原著＞幼児の非単語の復唱におけるモーラ数および単語らしさの影響

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概要

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本研究は､日本語の音韻を材料とした非単語復唱課題を作成し､日本語を用いた場合においても､刺激の時間的長さや単語らしさに非単語の記憶が影響を受けるのかについて検討した｡非単語復唱課題は､2~6モーラの非単語を各モーラ10語ずつ計50語用意した｡また､非単語がどれだけ実在する語彙に類似しているのかに基づき､単語らしさ―高非単語､単語らしさ―低非単語を設定した｡幼稚園年中児26名(平均年齢4歳9か月)を対象に､非単語復唱課題､語い検査､ディジットスパンを実施した｡その結果､非単語のモーラ数が多い､および単語らしさの低い非単語の方が復唱の正解率が低いことが示された｡非単語の記憶は音韻的作動記憶および既得の知識に制約を受けることが明らかになり､英語圏で用いられる場合とほぼ同様の結果が得られることが確認された｡また､単語らしさの高低は､モーラ数が少ない場合には大きな影響を持たないが､モーラ数が多い場合において､非単語の記憶に重要な役割を果たすと考察された｡
筑波大学心身障害学系の論文

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