＜資料＞施設に移住する知的障害者における要介助度の加齢的変化　：　一更生施設における１０年間の日誌の分析

概要

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施設での日常の生活記録を分析することにより､知的障害者における要介助度の加齢的変化を調査した｡知的障害者更生施設Aに居住する者のうち､年齢が高い20名(最終分析年度の年齢は41~63歳)の10年間の記録を分析対象とした｡施設職員等による経験的判断に基づき｢失禁｣｢不眠｣｢徘徊｣｢移動介助｣｢失見当識｣の5つをキーワードと定め､これらが記録に出現した回数について年度ごとに分析した｡その結果､1年目に比べて9年後では18名(90%)の対象者で｢失禁｣に該当する記述の出現回数が増加していた｡｢失禁｣以外のキーワードは全体に出現回数が少なかったが､増加が著しい者も少数ながら認められた｡これらから施設に居住する知的障害者の多くに要介助度の加齢的変化が認められること､また日誌分析は要介助度の加齢的変化を客観的に評価するために有用であり､特に｢失禁｣は多くの者にとって感受性が高いキーワードであることが示された｡