昭和基地で再開されたNOAA衛星受信の概要と初期的成果
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概要
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NOAA衛星受信が1997年3月に昭和基地で再開された。この設備更新により, かつては1日に1パス程度の受信が運用の限界であったものが, DMSP衛星, NOAA衛星を合わせて20パス程度の受信が可能となった。昭和基地では受信データを画像化し基地内LANを介してのweb公開を行い, 観測隊の活動計画立案の有益な資料として利用している。受信データは年に1度持ち帰られ, 国立極地研究所情報科学センターのテープライブラリ装置に格納され, 共同研究に供されている。現在行っている受信は12号, 及び14号であり, おおよそ11UTから03UTの間に対応している。1日に複数パスが揃う気水圏関連の衛星データセットは昭和基地ではこれまでになく, 東南極域の低気圧の活動度や海氷分布の変化をこれまでより詳細に理解出来ることに加え, 南極氷床の涵養・消耗をつかさどる水収支に密接に関連する夏季の惑星境界層の日変化についての議論が可能となる。また, 内陸の雲域には従来の検出方法では検出できない場合があることが分かった。ドームふじ観測拠点での大気観測データを合わせて利用することにより, 南極域の雲の知見を広げ, 雲検出方法が改良されることが期待される。
- 国立極地研究所の論文
著者
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平沢 尚彦
国立極地研究所
-
山内 恭
国立極地研究所
-
平沢 尚彦
国立極地研
-
改井 洋樹
財団法人リモート・センシング技術センター
-
平沢 尚彦
国立極地研究所:総研大極域科学専攻
-
山内 恭
国立極地研究所:総研大極域科学専攻
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