生ごみ堆肥を用いた環境教育法の開発
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概要
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わが国では食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業などや家庭からでる生ごみ(食品廃棄物)の総量は約2,200万トン(2005年度)である注1)。この内、約20%が肥料や飼料等に利用され、残りの約80%は焼却・埋め立て処分されている。ちなみに、家庭からでるごみの総量は年間約3,500万トンで、このうち3分の1は生ごみである。これは、わが国の1年間の米の消費量を上回る。また、家庭や企業から廃棄される生ごみ(食料品)の内、まだ十分食べられるものが年間約600万トンもあると言われている。2001年に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」は、循環型社会の形成を推進するために制定された「循環型社会形成推進基本法」に関わる7つの個別法の1つである。食品リサイクル法は、大口の事業者を対象に2006年度までに生ごみの20%以上を、①発生抑制、②肥料や飼料等への再生利用、③再生利用できない場合は脱水・乾燥・炭化等による減量を目標とし、一般消費者にも発生抑制や、再生品の利用を求めている。2005年度実績では、業種によって大きく異なったが、食品製造業は81%、食品卸売業は61%、食品小売業は31%、外食産業は21%の達成率をそれぞれ示した。これらの実情を受けて、2007年に改正された食品リサイクル法では、2012年までに、食品製造業には85%、食品卸売業には70%、食品小売業には45%、外食産業には40%の目標がそれぞれ課せられた。一方、わが国で使われる化学肥料の原料はほぼ100%輸入に頼っている。窒素肥料の多くは空中窒素と水素から造るが、水素の原料の大半は輸入の天然ガスである。リン酸肥料はリン鉱石、カリ肥料はカリ鉱石がそれぞれ原料であるが、両者5も100%輸入で、リン鉱石は近い将来枯渇すると言われ、一部の輸出国では輸出規制を実施している。また、化学肥料の製造過程は石油等の化石エネルギーに依存している。このようなことから、最近、国際的な原油価格の高騰もあって、化学肥料の値段がかなり上昇した。また、現在、地球温暖化防止を目標に、二酸化炭素発生を極力抑制する循環型社会の形成を目指ざし、産業構造や社会経済的システムの転換が急がれている。農業の現場においても、地産地消、地域資源、の有効活用が推奨され、化学肥料に頼らない、農業廃棄物や生ごみ等、有機質資源、の循環利用による作物生産が求められている。本報は、以上の諸点を踏まえて、“生ごみから環境やリサイクルを考える"との観点から、栽培活動および生ごみ堆肥等にかかわる教員アンケートの結果や、生ごみリサイクルの環境教育的意義と学習指導要領等々の検討を通して、生ごみ堆肥を活用した環境教育法を開発するとともに、それに即した授業実践等について紹介するものである。
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