南極みずほ高原からえた浅層ボーリングコアー中の酸素同位体の分布
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概要
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南極氷床の浅層ボーリングコアーについて,酸素同位体組成および核実験による人工放射線量(総β線量)の測定と積雪層位解析を行い,積雪量の雪尺による実測や雪面観察の結果を参考にして,コアーにおける酸素同位体の垂直分布について検討した.総β線量の測定結果から判断して,コアー中の酸素同位体組成の変動が,降雪の酸素同位体組成の季節変化に基づく1年につき1周期でない地域があることがわかった.この地域では,堆雪が連続的に生ぜず,削剥,堆雪,無堆雪という堆雪環境の時間的変動と,堆雪後の積雪層内における水蒸気の移動による雪の変態の二つの因子が,コアー中の酸素同位体の分布を大きく規制していると考えられる.この二つの因子の規制のない地域でのボーリングコアー中の酸素同位体組成の変動は,1年同期になっており,上の考え方が間違いでないことが明らかにされた.
- 国立極地研究所の論文
著者
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加藤 喜久雄
名古屋大学水圏科学研究所
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渡辺 興亜
名古屋大学水圏科学研究所
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加藤 喜久雄
名古屋大学地球水循環研究センター
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加藤 喜久雄
名古屋大 地球水循環研セ
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加藤 喜久雄
名古屋大学
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渡辺 興亜
国立防災科学技術センター:雪害実験研究所
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