南極高気圧下で生成した雪の酸素同位体組成(第1回南極気水圏シンポジウム)
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概要
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昭和基地の降雪,みずほ高原の飛雪,積雪の酸素同位体組成(δ^<18>O)について考察し,まったくといっていいほど解明されていない南極高気圧下での降雪の生成過程ならびに南極高気庄圏への水蒸気輸送過程について,次のように考えた.南極高気圧下では上層逆転層付近に相対湿度100%のところがあり,そこで混合または放射冷却により等圧冷却過程で降雪が生成している.南極高気圧圏へは,海から蒸発した水蒸気は沿岸低気圧地域の上空を通って供給され,南極高気圧圏内て下降し,カタバティック風により沿岸地域へ運ばれる.下降流により沈降性上層逆転層が生成される.晴天が多いため地表気温は低くなるので,氷床上では等圧冷却過程で生成した降雪から氷床上の雪への水蒸気の移動が起こる.その結果として積雪の霜さらめ化と上向きの結晶生長ならびに表面積雪層における雪のδ^<18>値が深くなるにつれて小さくなるというδ^<18>0値の垂直分布がひきおこされる.
- 国立極地研究所の論文
著者
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加藤 喜久雄
名古屋大学水圏科学研究所
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樋口 敬二
名古屋大学水圏科学研究所
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樋口 敬二
名古屋大 水圏科研
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加藤 喜久雄
名古屋大学地球水循環研究センター
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加藤 喜久雄
名古屋大 地球水循環研セ
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加藤 喜久雄
名古屋大学
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樋口 敬二
名古屋大学
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