融雪の人工抑制に関する基礎的研究
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概要
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1969年3月, 長岡市の雪害実験研究所において, 融雪の人工抑制に関する基礎的実験を行なった. 融雪を抑制する材料として, 布地はナイロン, ビニロン, 帆布, 網を使い, ほかに断熱材であるスチロホーム (厚さ2.5cm), 日射をさえぎる板囲い等を設置した.布地は, それぞれの種類について, 雪面に蜜着させた場合と, 雪面上10cmに保った場合の二通りの実験を行なった. その結果, 最も抑制効果の大きいのはスチロホームで, 自然融雪量の19%まで融雪を抑制することがわかった. 同年7月に行なった北アルプス劔沢源頭 (2750m)での抑制実験でも, ほぼ同様の結果を得た.布地では, 雪面に密着した場合, ナイロン, 帆布では融雪を促進したが, 雪面から10cm離した場合には, いずれの種類も融雪を抑制することがわかった.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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