ネパール・ヒマラヤの氷河について : その特性と最近の変動
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概要
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ネパール・ヒマラヤには, 消耗域表面が多量の岩屑に被われている氷河と, ほとんど岩屑に被われない氷河とが存在する.筆者は, 前者をDirty Type (D型) 氷河, 後者をClean Type (C型) 氷河と呼ぶことを提案した.<BR>C型氷河, D型氷河とも, 比較的最近の氷河の前進とその後の後退が顕著に認められる.D型氷河においては, 前進期の氷が氷舌部にdead iceとして残存しているが, これは表面の岩屑の融解抑制効果によるものと考えられる.<BR>このネパール・ヒマラヤにおける最近の氷河の前進は, ターミナル・モレーンと現在の氷河末端の位置関係などから, 氷河の主たる涵養期であるモンスーン期 (6月~9月) の気温が現在より約2℃低かったことに起因すると推定される.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文