示差熱分析による食品中澱粉の熱的性質の検討 食品関連高分子の熱的性質(第2報)
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概要
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馬鈴薯,蓮根,里芋,甘藷ならびにこれらより水沈殿して単離した澱粉について示差熱分析を行なった.また馬鈴薯中の澱粉の糊化に及ぼす塩化ナトリウム,ショ糖,エチルアルコールの影響,および馬鈴薯の貯蔵による糊化温度の変化をDTAにより検討した結果,各食品中の澱粉の熱的挙動を単離しない状態で測定することができることを認めた.以下に実験結果を要約する. 1. 馬鈴薯,蓮根,里芋,甘藷細切片のDTAの結果,1つの明瞭な吸熱ピークを認めた.このDTA曲線は,単離した澱粉のDTA曲線よりも高温側に3〜7°Cずれている以外は,よく一致したパターンを示した.また吸熱ピークの過程で偏光の消失を伴うことから,各食品の吸熱曲線は食品中の澱粉の糊化をとらえたものと判断した. 2. 塩化ナトリウム溶液中では馬鈴薯の糊化温度は低下し, 20%濃度では10〜12°C低下した.ショ糖溶液中では濃度の増大に伴い糊化温度が上昇し, 50%で約80°Cとなった.エチルアルコール溶液中でも糊化温度は増大し, 50%で約75°Cを示した.単離澱粉もほぼ同様の傾向を示した. 3. 馬鈴薯を約4, 15, 30°Cに48日間貯蔵しDTAを行なったところ, 15°C以下の貯蔵では未貯蔵と変らない糊化温度を示したが, 30°Cの場合は4°C以上高い値を示した. 30°C62日間貯蔵した馬鈴薯,およびその単離澱粉ともに未貯蔵のものよりも高い値を示した.また1976年産馬鈴薯およびその単離澱粉の糊化温度は,1977年産のそれよりも高い値を示した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
-
白井 邦郎
東京農工大学農学部
-
和田 敬三
東京農工大学農学部農芸化学科
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川村 亮
東京農工大学農学部
-
高橋 浩司
東京農工大農
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川村 亮
東京農工大学皮革研究施設
-
川村 亮
東京農工大学
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和田 敬三
東京農工大学
-
高橋 浩司
東京農工大学農学部
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