清酒及び合成清酒の酸化還元電位について : (第4報)速醸〓及び醪の酸化還元電位について

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(1) 原料米に新米を使用した場合と古米を使用した場合との2つの場合について,速醸〓とその醪について〓の水麹から醪の上槽時までの間の酸化還元電位及びI. T. T.値の変化を測定した. (2) 速醸〓では水麹から膨れまでの間は電位は上昇するが,膨れ,湧付以後は電位は下降し,丸冷しの翌日頃最低値に達する.それ以後枯し期間中は電位は少しずつ若干上昇し初添となる. (3) 醪では留後2〜3日は電位が上昇するが,それ以後醗酵が旺盛になるにつれ,電位は低下し,落泡,引泡の頃最低値(rH約7.0)となる.その後熟成に近ずくと少しく上昇し,アルコール添加により急に上昇し,上槽により更に上昇して,上槽直後の製成清酒ではほぼrH 12〜13を示す. (4) 古米と新米とについて比較すると,新米を使用した場合は古米を使用した場合に比し, rRの変化より経過の遅れていることが分る.又高泡をすぎた醪や上槽後の製成清酒でも新米の場合の方が電位はやや低い.このことはI. T. T.値の測定結果からも同様のことがいい得る. (5) 合成清酒と清酒醪,上槽後の清酒(新酒)とを比較してみると,合成清酒の方が電位もI. T. T.値も高い値を示す.此のことから合成清酒は清酒醪や新酒に比べて酸化的状態にあるものなることが分る.
社団法人日本農芸化学会の論文

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