アラニン発酵の機構に関する研究(第1報) : Corynebacterium gelatinosum No. 7183におけるDL-アラニンの発酵機作
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概要
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(1) Corynebacterium gelatinosum No. 7183菌のDL-アラニン生成機構について研究を行い,発酵初期のピルビン酸, α-ケトグルタール酸の蓄積とともに,本菌の強力なトランスアミナーゼとL-グルタミン酸脱水素酵素の共範的作用により多量のL-アラニンを生成することを明らかにした. (2) 生成したL-アラニンはアラニンラセマーゼにより直ちにD-型に変換され,平衡に至りラセミアラニンとなる.トランスアミナーゼはDL-変換には無関係である. (3) アラニンラセマーゼはcofactorとしてPALPを要求し,至適pH 8.0,耐熱性は70°, 30分で100%失活する.またアラニンに特異的であると考えられる. (4) アラニンラセマーゼは構成酵素である. (5) 本菌のDL-アラニン蓄積はL-グルタミン酸,ピルピン酸, DL-アラニンの4者の相互関係について論ずべきことを考察した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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山野井 昭雄
味の素株式会社
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北井 淳夫
三楽酒造株式会社中央研究所
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刀根 弘
三楽酒造株式会社中央研究所
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佐々木 浩
三楽酒造株式会社中央研究所
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宮地 昇
三楽酒造株式会社中央研究所
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宮地 昇
三楽酒造株式会社
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山野井 昭雄
味の素株式会社中央研究所
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