アラニン発酵の機構に関する研究(第2報) : 糖代謝とDL-アラニン蓄積について
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概要
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Corynebacterium gelatinosum No. 7183菌におけるDL-アラニン蓄積の理由を解明するために実験を行い,次の知見を得た. (1) アラニン発酵に適した培地組成を採用したような条件下では,窒素濃度が糖代謝に重要な影響を及ぼし窒素の少い場合は糖代謝は不完全な状態にとどまるが,窒素濃度が高いと見かけ上糖代謝は促進される. (2) 通気量も重要な因子であり,特にピルビン酸, α-ケトグルタル酸の酸化能に及ぼす影響は大である.通気量が少いとピルビン酸酸化能は顕著に低下する. (3) 本菌はDL-アラニンを炭素源として増殖しうる. (4) 本菌はL-グルタミン酸L-アラニン, D-アラニン, L-トリプトファン, L-ヒスチジンを酸化する能力を有する.他のD-アミノ酸には作用しない. (5) 本菌におけるDL-アラニン蓄積は,窒素代謝と関連した糖代謝経路よりのBy-Path反応であり,また上記の事実よりDL-アラニンは発酵の最終生産物ではなく,一時的貯溜物であると結論した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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