清酒及び合成清酒の酸化還元電位について : (第5報)山卸廢止〓及び醪の酸化還元電位について

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1. 山御廃止〓とその醪とについて,〓の水麹から醪の上槽時までの問の酸化還元電位及びI. T. T.値の変化を測定した. 2. 山卸廃止〓では水麹以後2〜3日は電泣は上昇するが,それ以後膨れまでの間に電位の大きく低下する時期がある.この点が速醸〓と著しく異る点であるが,この時期は亜硝酸の反応が最高か或はそれを若干過ぎた頃である.それ以後電位は上昇するが,膨れ,湧付と醗酵が盛んになるにつれ再び低下し,丸冷しの少し前に最低値に達するが,枯し期間中には電位は再び上昇し初添となる.古米と新米とについて比較すると古米を使用した場合の方が電位はやや高い.又両者とも速醸〓に比べると電位は全体的に若干高くなつている. 3. 醪については電位の変化の傾向は速醗〓の酵の場合に大体似ているが,前項と同様に全体的に特に初期の頃が電位は少し高くなつている. 4. I. T. T.値は〓では亜硝酸の生成の頃がやや低くなつている様であるが,余り明確ではない.醪では傾向は速醸の新米の場合に似ているが,全体的に値は低い. 終りに臨み,終始御懇篤な御指導を賜つた東京大学坂口謹一郎教授,朝井勇宣教授,三楽酒造株式会社常務取締役武田義人博士,同研究所次長尾崎浅一郎博士,並びに,発表を許可された三楽酒造株式会社鈴木三千代社長に深謝致します.尚,九州大学本江元古助教授の御懇篤な御助言に対して深謝致します.
社団法人日本農芸化学会の論文

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