オキシン抽出光度法によるジルカロイ中のスズの定量

概要

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ジルカロイは原子炉材料として重要なジルコニウム合金である.たとえば,日本原子力研究所動力試験炉において二酸化ウランペレット燃料の被覆管として用いられているジルカロイ-2は,スズ1.20〜1.70,鉄0.07〜0.20,ニッケル0.03〜0.08,クロム0.05〜0.15%を含んでいる.これらのうち主添加成分であるスズの化学分析には古くから知られている酸化滴定法が用いられている.ところが,スズの容量分析法ははなはだしく酸素の影響を受ける.系内にわずかの酸素が残留もしくは混入すると,スズの還元が不じゅうぶんとなったり,滴定時に誘発酸化されるなどして負誤差を与えがちである.そのため正確な分析を行なうための操作は必ずしも容易でない.<BR>著者らはEberleらのオキシン抽出光度定量法を追試,検討し,その一部を改良した結果,操作の容易な,しかも正確な分析方法を確立することができた.<BR>この方法は,前述の容量分析法とともに,12実験所において3種のジルカロイ試料の分析に用いられ,容量分析法よりもすぐれた結果が得られている.
社団法人日本分析化学会の論文