チオテノイルトリフルオルアセトンによる水銀の抽出吸光光度定量
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概要
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チオテノイルトリフルオルアセトン(STTA)を合成し,金属の抽出光度定量試薬としての有用性を検討した.試薬の性質はジチゾンと似ているが,その吸収のため抽出液から過剰のSTTAを除かないかぎり金属の定量はむずかしいという結論に達した.検討した30あまりの金属のうち定量条件を見いだせたのは水銀だけであった.水銀(II)は強酸性からpH5に至る広い範囲からSTTAと1:2の錯塩をつくって抽出され,アルカリ溶液でSTTAを除いたのち吸光度を測定して定量される(モル吸光係数3.0×10<SUP>4</SUP>).感度はジチゾン法にやや劣るが,選択性の点でははるかにすぐれている.水銀(I)も水銀(II)と同じ条件で抽出され(モル吸光係数1.5×10<SUP>4</SUP>),共存する両者の定量が可能である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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