マグノックス中のベリリウムの定量
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概要
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原子炉材料として注目されているマグノックスの主な成分はマグネシウム約99%,アルミニウム1%程度,ベリリウム約0.02%であり,これに0.05%程度のカルシウムを加えたものもある.<BR>この合金の分析においてとくにベリリウムの定量に問題がある.著者らは8-ヒドロキシキナルジンを用いるベリリウムの抽出光度定量法をマグノックス中のベリリウムの定量に応用し,満足すべき結果を得た.<BR>ベリリウムの8-ヒドロキシキナルジン錯塩はpH8.0±0.5より定量的にクロロホルムで抽出され,抽出液は380mμに吸収極大があって2〜40μgのベリリウムを吸光光度定量することができる.この場合アルミニウムはこの試薬と錯塩をつくらず,抽出はされないが,0,1mg以上存在するときは水酸化物沈殿を生じて妨害となる.またマグネシウムも15mg以上存在するとベリリウムの定量的抽出を妨げる.したがってこの方法を用いるためには,あらかじめ大部分のマグネシウムとアルミニウムを除いておく必要がある.このために試料溶液を塩化アンモニウム-アンモニアアルカリ性として,アルミニウムとともにベリリウムの水酸化物を沈殿させて大部分のマグネシウムより分離し,ついで沈殿は塩酸に溶解し,オキシン-クロロホルム抽出法をおこなってアルミニウムを除いた.定量操作ならびに検討結果はつぎのとおりである.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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