クロム,マンガン,ニッケル中の微量の鉄の迅速定量法 : オキシン抽出比色法
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概要
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鉄オキシン錯塩は比較的低いpH(2.4以上)の水溶液より定量的にクロロホルムで抽出できること,および抽出液の吸収極大が470と580mμにある点が他の多くの金属オキシン錯塩と異なっている.この性質を利用して微量の鉄を多量の他の金属より簡単に抽出分離し,比色定量することができる.本報は従来より定量操作がかなり繁雑であった有色イオンをつくるクロム,マンガンおよびニッケル中の0.01%程度までの鉄の迅速定量法の検討結果である.<BR>100γまでの鉄(III)を含むクロム,マンガンおよびニッケルの酸性溶液約35m<I>l</I>に1%オキシン酢酸溶液3m<I>l</I>を加え,酢酸アンモニウムと希アンモニア水を用いてpHを2.5〜3.3に調節する.ただしクロムおよびマンガンの場合にはそれぞれ4.5および4.3まで差支えない.ついで溶液は分液漏斗に入れて全液量を50m<I>l</I>とし,正確に10m<I>l</I>のクロロホルムを加えて1分間はげしく振盪して鉄オキシン錯塩の抽出を行う.抽出液は無水硫酸ナトリウムで脱水ののち470もしくは580mμの吸光度を測定して鉄を定量する.本操作はきわめて簡単であり,正確な結果が得られる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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