原発性胆汁性肝硬変で認められる抗単球抗体の単球機能におよぼす影響
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概要
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我々は原発性胆汁性肝硬変(PBC)が肝内胆管を場とする自己免疫疾患であるとの根拠を種々提示してきた.この際Interleukin 1を産生する単球の機能異常が存在することを明らかにしてきた.今回PBC 13例につき抗単球抗体の有無を検索し,抗単球抗体陽性の3例につき健常者単球機能に及ぼす抗単球抗体の影響をPPD抗原提示能,Interleukin 1産生能の面より検討した.健常者単球は抗単球抗体陽性のPBC患者血清と補体により処理を受けても,自己T細胞に対する充分なPPD抗原提示能を有し,リンパ球幼若化能に対する抑制を示すことはなかった.またLPSおよびPPD刺激下における健常者単球のIL-1産生能は抗単球抗体陽性の,PBC患者血清と補体により処理を受けても明らかな低下を示さなかった.この成績はPBC患者末梢血単球機能異常が抗単球抗体の存在に基づく二次的な異常ではないことを示唆するものと考えられた.
著者
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前田 隆
高知医科大学 第一内科
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大西 三朗
高知医科大学 第1内科
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西原 利治
高知医科大学第一内科
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富田 昭
高知医科大学第一内科学教室
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伊藤 憲一
高知医科大学第1内科
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藤川 正直
高知医科大学第1内科
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栄枝 弘司
高知医科大学第1内科
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富田 昭
高知医科大学第1内科
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西原 利治
高知医科大学第1内科
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伊藤 憲一
高知医科大学
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