C<SUB>1</SUB>q binding testによる肝疾患患者血中免疫複合体の測定とその病因的意義,陽性例における免疫複合体形成にあずかるHBV関連抗原抗体の検索
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概要
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C<SUB>1</SUB>q binding test (C<SUB>1</SUB>qBT)を用いて血中の免疫複合体(IC)を測定し,肝疾患では陽性頻度が予想以上に高いことを既に報告した.今回C<SUB>1</SUB>qBT陽性のIC中に含有される肝炎ウイルスに基くICの実体を明らかにする目的で,C<SUB>1</SUB>qBT陽性の肝疾患患者血清より得られたcryoglobulinを分析材料とし,HBs抗原・抗体,HBc抗体,HBe抗原・抗体,HA抗体を検索した.HBs抗原陽性慢性肝疾患10例中,全例においてIC中でHBs抗原を,このうち2例では同時にHBs抗体も検出され,HBs抗原・抗体複合体の存在を証明し得た.HBs抗原陰性の10例中1例においてIC中でHBs抗原が検出された.しかしIC中にHBe抗原・抗体を単独に証明し得る例は少くないが抗原,抗体の両者を検出し得た例はなく,またIC中にHA抗体を検出した例もなかった.以上よりHB陽性慢性肝疾患患者IC中にはHBs抗原・抗体がICを形成している症例が少くないと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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福田 善弘
京都大学第二内科
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福田 善弘
京都大学医療技術短期大学部
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井村 裕夫
京都大学第二内科
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伊藤 憲一
高知医科大学第一内科
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佐野 万瑳寿
京都大学第2内科
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井村 裕夫
京都大学第2内科
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伊藤 憲一
高知医科大学第1内科
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福田 善弘
京都大学第2内科
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