Indocyanine green (ICG)と血漿蛋白との結合についての研究
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概要
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体質性ICG排泄異常症の1例および各種疾患患者61例を対象として,主として大量のICG (5mg/kg)を投与した時のin vivo負荷血漿についてリポ蛋白との結合様式を検討した.リポ蛋白の分画は主としてpolyanion沈澱法によったが,生体内ではICGの71%がリポ蛋白に結合していた.そのうち33%はHDL分画に,38%はLDL分画に分布していたが,LDL分画の分布率はin vitro負荷時に比して有意に低かった.体質性ICG排泄異常症の1例ではin vitroとin vivoとでリポ蛋白に対する結合比率に大きな差がみられたが,これは生体内でのICGと蛋白結合に対する修飾が異常に強いことによると考えられた.生体に投与されたICGの血中消失率は各蛋白結合ICGの間で差はみられず,ICGと蛋白との結合状態がICGの排泄異常に直接関与するとは考えられなかった.慢性肝疾患ではHDL分画へのICGの分布率の増加がみられたが,これは慢性肝疾患の病態の一つを反映していることによると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
高田 昭
金沢医科大学消化器内科
-
高瀬 修二郎
金沢医科大学
-
中谷 泰康
金沢医科大学消化器内科
-
森川 俊洋
金沢医科大学消化器内科
-
高田 昭
金沢医科大学
-
中谷 泰康
金沢医科大学内科学(消化器)教室
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