他の肝機能検査法との比較からみたICG Rmaxの臨床的意義:慢性肝疾患例での比較
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概要
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ICG Rmaxの臨床的意義をより明らかにする目的で,慢性肝疾患患者182例で,ICG Rmaxと他の肝機能および血液生化学的検査との成績について比較検討した.ICG Rmaxは各種検査成績のうち,BSPや蛋白合成能を反映する検査との間にもっとも高い相関を示した.ICGRmaxとBSPはいずれの慢性肝疾患でもほぼ類似の態度を示し,その異常率には有意の差はみられなかったが,肝硬変の病態の把握,予後の判定にはICG Rmaxがより鋭敏であった.蛋白合成能を反映する検査は,肝硬変などの重篤な病変でのみ高い異常率を示し,他の疾患での異常率はICG Rmaxに比して明らかに少なかったが,ICG Rmaxとの解離例の検討より,蛋白合成能を反映する検査は色素排泄試験では評価しえない病態の一面を反映していた.以上のごとく,ICG Rmaxは諸種の検査のうちでも,肝細胞機能総量をもっとも鋭敏に反映しており,他の検査との併用により肝疾患の病態の把握はより正確になると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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