<I>Myrothecium verrucaria</I>胞子のアスコルビン酸酸化酵素
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概要
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1) <I>Myrothecium verrucaria</I> IFO 4株, IAM 1株の計5株について, 胞子の生成量が大でAsA酸化酵素活性の高い菌株をスクリーニングした結果, IAM5063を選択した。胞子はL-AsA, D-iso AsA両者をそれぞれ酸化したが, D-iso AsAに対する酸化能はL-AsAに対する酸化能の約1/10であった。<BR>2) <I>Myrothecium verrucaria</I>の胞子のAsA酸化酵素をDEAE-Sephadex A-50クロマトグラフィー, Sepharose 6Bゲルクロマトグラフィー, CM-Sephadex C-50クロマトグラフィー操作により部分精製し, その比活性はSepharose 6Bの段階で約700倍に上昇した。<BR>3) 本酵素の分子量は約38万ダルトンであった。また, 本酵素はL-AsAを酸化し, DHAを生成することが確認された。至適pHは6〜7, 至適温度は30℃付近であった。また40℃以下では安定であった。<BR>4) 本酵素はL-AsAは酸化するが, D-iso AsAは酸化しなかった。またD-iso AsAの添加によりAsA酸化酵素活性が阻害され, その阻害様式は非拮抗阻害であった。<BR>5) 本酵素はジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム, フェニルチオ尿素, 8-ハイドロキシキノリンおよびアザイドに阻害されなかったが, Cu2<SUP>+</SUP>を10<SUP>-4</SUP>M添加することで活性が5.7倍に上昇し, 本酵素の活性に対しCu<SUP>2+</SUP>が大きな影響をもっていることがわかった。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
-
本間 清一
お茶の水女子大 食物
-
相田 浩
お茶の水女子大
-
本間 清一
お茶の水女大 生活科学
-
舟木 淳子
お茶の水女子大学家政学部食物学科
-
阿部 啓子
お茶の水女子大学家政学部食物学科
-
相田 浩
お茶の水女子大学家政学部食物学科
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