低温に貯蔵した包装牛肉の化学的•細菌学的検索
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概要
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スライスした牛肉を真空および普通包装で1°Cおよび7°Cに貯蔵し,貯蔵中の肉色,pH,揮発性塩基態窒素(VBN)の変化および生菌数の増加を観察し,また細菌叢の変化を追跡した.肉の貯蔵中,官能的に腐敗が認められるまでの日数は,7°C普通包装で7日,7°C真空包装で14日,1°C普通包装で21日,1°C真空包装で28日であった.官能的に判定した鮮度変化ともっとも良く並行した指標は生菌数で,ついでVBNであった.普通包装肉が腐敗(微生物の作用によって官能的な変化を生じ,可食性を失う現象と解する)するまでには,保存温度にかかわりなくPseudomonas, Achromobacter, Coryneformsが主に増殖し,真空包装では保存温度にかかわりなく,Lactobacilli, Streptococci, Enteric bacteria, Coryneformsが主に増殖した.このうち1°C真空包装の場合は,Coryne-forms→Enteric bacteria→乳酸菌(ここではLactic acid bacteriaの意味)の順に優勢種の遷移が観察され,最終的には乳酸菌の増殖によって腐敗すると思われた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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金子 恵美子
千葉大学腐研
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清水 潮
千葉大学腐研
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小沢 総一郎
日本食肉加工協会
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矢野 幸男
日本食肉加工協会
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高坂 和久
日本食肉加工協会
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金子 恵美子
千葉大学腐敗研究所
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清水 潮
千葉大学腐敗研究所
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