家畜の従属筋クロナキシーに関する研究 : I 従属筋クロナキシー正常値の測定方法に関する吟味,及び正常値の決定について

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従来の従属筋クロナキシー正常値の測定方法及び測定値の処理等について,多少の欠陥が認められるので,此等についての基礎的な吟味を行つた。即ち,間隔を置かない連続測定と,各測定間に3分の間隔を置いた反覆測定とを行い,両者の成績を相互比較して次の結果を得た。尚,本実験に先立ち,家兎の表在筋23について剌戟点を求めた。(a) 間隔を置かない連続測定の場合1) 測定値の無作為性は,5%を限界としたRunによる検定で棄却される。2) 測定値に長期傾向が現れる。(b) 各測定間に3分の問隔を置いた反覆測定の場合1) 測定値の無作為性は,Runによる検定で棄却されない。2) 測定値に長期傾向現われたのは,5例中1例のみである。3) 長期傾向がないと見られる測定値の系列についての自己相関係数に,少数の有意な係数が算出された。4) 測定値の分布は正規型とみてよい。従つて,次のように結論した。1) クロナキシー正常値を求めるには,間隔を置かない連続測定は適当でない。2) クロナキシー正常値を求めるには,少くとも3分程度の間隔を置いた反覆測定によつて得た5個の測定値から,一定の範囲を含む例えば70%変異幅を推定して,被験筋のクロナキシー正常値とし,更に平均値を代表値として提示すべきである。3) この方法によつて得た成熟家兎のM. extensor hallucis longusと,M. biceps femorisの従属筋クロナキシー正常値は,M. extensor hallucis longus 0.080〜0.193σM. biceps femoris 0.073〜0.222σである。

家畜の従属筋クロナキシーに関する研究 : I 従属筋クロナキシー正常値の測定方法に関する吟味,及び正常値の決定について

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