高海抜環境曝露により発生したマウスの心肥大
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概要
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前報に報告したマウスの心臓について,高海抜環境曝露の影響を心電図学的,形態学的に検査した。心電図学的恒数ならびに心室壁の厚みについては,分散分析法にょり海抜による差を吟味した.結果はつぎのとおりである.1) 心電図学的恒数には,曝露による変化が認められなかったが,右室側の胸部単極誘導心電図では,QRS群がqR型をとるものが多く,高海抜環境曝露により,右室は肥大または拡張する.ただし循環障害などの異常は認められない.2) 右心室壁の厚みは,高海抜環境曝露により明らかに増大し,心重量体重比とは無関係に,生後22週令まで残留する.3) 心筋の組織学的検査により,海抜770mで30%,1,400mで80%,2,000m以上で100%の個体に肥大所見が認められた.以上の結果から,マウスを高海抜環境に曝露すると,心肥大が発生し,この肥大は平地に回収後も,永久的な変化として残留することが明らかにされた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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