高海抜環境曝露によるマウス臓器重量の変化
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概要
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平地で生産したICR-JCL系マウスを,生後3週令で離乳,無作為的に5群に区分し,海抜の異なる5カ所(平地,770m,1,400m,2,000m,2,600m)に配置して10週令までの7週間に亘って飼育した.10週令で平地に回収,生後11週令,15週令および22週令で剖検し,脳,心,肝,腎,脾,副腎および生殖腺の重量を計測,分散分析法により,高海抜環境曝露の影響を観察した.結果はつぎのとおりである.1) 平地へ回収後1週間を経過した生後11週令では,海抜2,000m以上で飼育されたマウスの心(雌雄),副腎(雌),腎(雄)の重量が増加する.2) 曝露による心重量の増加は,母マウスによって反応のパターンが相違し,感受性の差によると考えられる.3) 育成期を高海抜環境下で経過したマウスは,平地へ回収後に増体量を増し,とくに雌では,平地で飼育されたものと比べ,生後22週令で明瞭な差が生ずる.4) 曝露による副腎重量の増加は,平地へ回収後短時日の間に消退し,心重量の増加とは様相を異にする.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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