家畜の皮膚表面温度に関する研究 : I 馬の皮膚温について
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概要
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馬の皮膚における温度分布の状態を明きらかにしようとして,馬12頭を使用し,気温20°における28部位の皮膚温を測定した。その結果,馬の正常時皮膏温は,尾根部において最高を示し,心臓部および耳根部がこれに次ぎ,以下体の中央部より末端にいくに従つて低くなり,角質化した蹄壁および蹄球において最低を示すことを知つた。さらに気温の皮膚温に対する影響の程度を知ろうとして,気温-5〜30°の範囲において,延べ169頭の馬の皮膏温を測定し,次の結果を得た。1. 皮膚温に対する気温の影響は,いずれの部位においてもきわめて明瞭であることが確認された。2. 皮膚温に対する気温の影響の程度は,体の末端,角質化した蹄壁および蹄球において最大で,これより体の中央部にいくに従つて小となり,尾根部において最小を示す。3. 気温-皮膚温間相関係数と正常時皮膚温との相関はγ=-0.78であつて,明きらかに有意な負の相関を示した。すなわち正常時皮膚温が低い部位ほど気温の影響を受けやすい傾向があつた。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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