新しい煎茶用品種つゆひかり
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概要
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つゆひかりは,静岡県茶業試験場において,1970年に静7132を種子親,あさつゆを花粉親として交配した実生群から選抜,育成された。系統70-30-302として1991年から1997年まで地域適応性試験及び特性検定試験を実施した結果,煎茶用品種として優良であると認められたため,つゆひかりと命名し,2001年に静岡県奨励品種として採用された。つゆひかりの特性の概要は次のとおりである。<BR>萌芽期はやぶきたより1日程度早く,摘採期は2日程度早いやや早生品種である。樹姿は中間型であり,初期生育旺盛で,樹勢が極めて強い。新葉は鮮やかな淡緑で,葉形は長楕円形と楕円形の中間である。成葉は緑色の長卵形であり,葉縁の波はやや少ない。挿し木発根性はやや劣るが,活着後の苗の生育は良好である。赤枯れ抵抗性はやぶきたより強い。耐病性は炭疽病には極めて強く,もち病にはやぶきたと同程度に強い。収量はやぶきたより高く,摘芽は芽重型である。品質はやぶきたと同等に優れる。外観はやや粉が多いが鮮緑で細よれする。水色は沈渣がややみられるが,明るい緑色を示す。香気は爽やかで,滋味は調和がとれ温和である。地域適応性に優れ,冷涼な山間地域から温暖な地域まで広範な地域に適応可能である。
- 日本茶業技術協会の論文
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