チャの茎切片培養における4種類のオーキシンがカルス化及び不定根分化に及ぼす影響
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概要
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チャの茎切片培養における不定器官分化のための条件を明らかにする目的で,カルス化と不定根分化に及ぼす4種類のオーキシンとそれらの濃度の影響及びNAAの濃度に対する品種の反応性の違いを明らかにしようとした。<BR>(1) 4種類のオーキシンのカルス化に対する活性は,カルス化率とカルスの大きさの両者から判断して0.001〜1.0mg/l程度の低濃度区では2,4-D>IBA>NAA>IAAの順に高く,10.0mg/1程度以上の高濃度区ではNAA=IBA>IAA<BR>>2,4-Dの順に高いことが認められた。<BR>(2) 4種類のオーキシンの不定根分化に対する活性は,不定根の分化率と分化本数の両者から判断して,IBA≧NAA>IAA>2.4-Dの順で高いことが認められた。なお,IBA及びNAAでは最適濃度範囲の不定根の分化率は80%程度を示したが,2,4-Dではほとんど不定根の分化が認められなかった。<BR>(3) カルス化及び不定根分化に及ぼすNAA濃度と品種による反応の違いをみた。カルス化については,やぶきたに比較してふじみどりは広い範囲のNAA濃度区で高いカルス化を示した。しかし,不定根の分化については,両品種の最適濃度区が異なるとともに,やぶきたはふじみどりに比較して広い範囲の濃度区で高い不定根の分化率を示した。
- 日本茶業技術協会の論文
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