チャの器官別および茶期別,節間別茎切片の培養における根の分化とその品種間差異
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概要
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チャの組織培養における不定器官分化を解明する目的で,種々の器官および茶期別・節間別茎切片からの根の分化とその品種間差異を検討した。<BR>1) 培養器官別の根の分化率は茎切片(51%)>根切片(44%)>葉切片(29%)>子葉切片(0%)の順であった。<BR>2) 秋季の新芽の各節間から採取した茎切片からの根の分化率および分化本数は第1節間で4.84%,0.11本,第2〜5節間で25,17〜27.48%,0.45〜0.58本であった。<BR>3) 各茶期の茎切片における根の分化率は一番茶期で75%と高く,三番茶期や四番茶期のそれと比較し約3倍となった。根の分化本数も一番茶期で3.18本と多く,三番茶期から四番茶期にかけて少なくなった。<BR>4) 18品種・系統の一番茶期の茎切片の培養では,カルスは培養7日後頃より認められ,60日後には大部分の茎切片がカルス化した。また,根の分化は培養10日後より観察され始め,供試品種・系統を平均し60日後には28%,90日後には45%の分化率を示した。<BR>5) 茎切片培養における根の分化には著しい品種・系統間差異が認められ,根の分化率および分化本数は大葉ウーロン,やぶきた,おおいわせ,かなやみどりなどで高く,ふじみどり,やまとみどり,Ace137などで低かった。<BR>本試験を実施するに際し,多大なる御協力をいただいた静岡県立農業短期大学校,昭和59年度生の福島和義氏,望月直美氏に謝意を表します。
- 日本茶業技術協会の論文
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