チャの葯培養における多細胞化花粉粒形成に及ぼす培地糖濃度と植物成長調節物質濃度の効果
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概要
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1. 葯培養によるチャの半数体を育成するための基礎的な知見を得るために,培地の糖濃度が葯内花粉粒に与える影響と培地の糖濃度ならびに植物生長調節物質が葯内花粉粒に与える影響について検討した。<BR>2. 培地の糖濃度が葯内花粉粒に与える影響について,異常分裂につながる3核(栄養核2+生殖核1)の花粉粒が認められたのは,糖濃度5%,10%と15%区であった。しかし糖濃度15%区は,Fig.2のように枯死率が高かったので,培地の糖濃度は5%と10%が適当であると考えられた。<BR>3. 培地の糖濃度ならびに2.4-Dが葯内花粉粒に一与える影響は,Fig.5に示すように,培地の糖濃度は5%よりも10%が有効であり,2.4-Dの有無については,培地に添加することが分裂花粉粒を含む葯の頻度を高くした。<BR>4. Kinetinが葯内花粉粒の分裂に与える影響については(Fig.6),培地にkinetinがなくとも培養7日目まで分裂花粉粒が認められたが,花粉粒の分裂にとって,培地のkinetin濃度は10pplnが適当であると考えられた。<BR>5. 糖濃度10%のkinetin 10ppmで,培養21日目に花粉粒は約30細胞まで分裂した(Plate 7)。<BR>6. 形成されたカルスの染色体数を調査した結果,2n=30であった。葯の切片の調査より,カルスは葯の結合組織から形成され(Plate 2),花粉粒起原でなかった。
- 日本茶業技術協会の論文
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