署名データ補正とスコア統合によるカメラに基づくオンライン署名認証の高精度化(署名認証,<小特集>バイオメトリクス論文)

概要

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カメラを用いたオンライン署名認証手法では,ペン先追跡によりオンライン署名データを取得し認証に利用する.ペン先追跡が成功している場合には正しいオンライン署名データを取得することができるが,ペン先部分がぼけている場合などは追跡に失敗し,それが認証精度の低下につながる.この問題を解決する方法として,我々はペン先部分がぼけているような低品質画像を自動検出し,低品質画像に対応するデータを補正することで,精度を改善する手法を提案する.提案手法では,逐次周辺ゆう度を用いて低品質画像を検出し,その後抽出される特徴の性質を考慮し,2種類の方法で補正されたデータを用いることで,認証精度を改善する.更に,抽出される複数特徴をスコアレベルで統合することで,更に精度を改善する.提案手法の有効性を確認するために,セッション間変動を含む真筆と,訓練偽筆を用いて精度評価実験を行った.その結果提案手法の認証精度は等誤り率1.8%となり,同じデータを用いて評価している先行研究の結果(等誤り率4.1%)を上回った.このことより,提案手法が精度改善に有効であることが確認できた.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2013-12-01